ハービッグ・ハロー天体110
Herbig-Haro 110(ハービッグ・ハロー天体110 HH天体110)
 この画像は,ハッブル宇宙望遠鏡の掃天観測用高性能カメラ(ACS)が2004年と2005年に,同じくハッブルの広視野カメラ3(WFC3)が2011年4月にとらえた画像を合成したもので,2012年7月3日に公開された。
 
 HH 110は,ロケット花火のように,生まれたての星から高温のガスが高速で噴き出し,高密度の水素分子雲の中心部にぶつかっている。
 ガスの流れが煙の痕跡のように見えるが,実際にはロケット花火が残す煙の数十億分の1程度の密度しかない。
※ ハービック・ハロー天体 
 恒星が誕生した直後の数十万年は,恒星の周囲に降着円盤が存在することが多い。降着円盤は恒星に向かって周囲のガスが落ち込むことによって作られるが,この円盤の内側の部分は高速で自転しているため,部分的に電離したプラズマの細いジェットが円盤の垂直方向に放出される。このジェットが星間物質と衝突すると明るい輝線を放射する小さな領域が生じ、これがハービッグ・ハロー天体として観測される。
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